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江戸時代後期頃から、東北地方で制作される、ロクロ挽きの木製人形「こけし」。全体の形状や、描かれた表情、文様などには、産地や作り手による個性的な特徴があり、その魅力に惹かれる愛好家も多い奥深い趣味の世界です。本書は、数ある「こけし」の中から、「未公開、未発表」のものを主体に1巻30体選抜、ハガキ大・カード仕立てとしてまとめられた「こけし作品集」3巻セットです。編集者曰く、こけし同好者が集まり「何かをやろう」と意見交換を行った際、資料作成の必要に駆られてスタートしたのがきっかけとあるように、制作者(工人)、制作年代、系統のほか、制作背景や描かれた表情、文様についても言及した解説は読み応えがあり、資料性の高い構成となっています。題字を印刷した木版画や、カードを収納する手漉き和紙による函型の帙など、細部まで愛情深い手仕事で作られた一冊です。3巻ともカードの欠損なし。1巻のスリップケースに若干のスレある他は、目立つ傷みなし。花ぐるま同人より1975年発行。
Title/ こけし写譜 3巻セット
Author/ 編集・都築祐介
Published/ 花ぐるま同人1975
Notes/ Card 150×105mm 各30枚