童画家、版画家、童話作家と様々な肩書きを有する武井武雄が手がけた、第37番目の刊本作品が本書です。表紙は前面背面共にシックなブラウンのフェルト生地、そこに金色の箔でタイトルを押し入れ、背をヌメ革で包んだ、手の込んだ造りの一冊です。タイトルにもなった「リヤカー家の人々」は、手押しのリヤカーを、現代で言うキャンピングカーのように改造し、行商しながら暮らす、仲良し夫婦のお話。武井武雄自身が実際に聞いた、面白可笑しい、御伽話のようなストーリーが収録されています。執筆、挿画及び装幀は武井武雄、造本は内藤政勝によるもの。夫婦函入り。函内部、本体見返しに経年によるシミが若干見られる他は、特に問題なし。限定造本265冊発行のうちの一冊。本書の通し番号は一番。武井武雄署名入り。（なお、第９回刊本作品友の会全国大会を記念して、1978年に新装版が作られますが、その元となったものが本書です。） Title/ リヤカー家の人々 Author/ 武井武雄 Published/ 青園荘 1952　 Notes/ Hardcover 90×75mm 182p