早稲田大学文学部フランス文学科を卒業後、読売新聞社記者を経て、大阪あべの辻調理師専門学校を設立。日本でのフランス料理の研究と普及に尽力した、辻静雄が残した名著を一堂に集めた1000ページ近いボリュームの大冊。日本ではまだひと握りの人々にしか知られていなかった、西洋の食文化の魅力を正しく伝え、多くの名料理人を育てることで、戦後日本の食生活の水準を飛躍的に高めることに貢献した、辻静雄の美味探究の歩みをこの一冊から大いに学ぶことができる。「随筆篇」「入門篇」「研究篇」「対談篇」の4編構成になっており、読み進めるにつれて、食の真髄とその核心へと少しずつ近づいていくことができる。別冊の付録冊子には、阿川弘之、大岡信、開講健、丸谷才一ら交流のあった文学者達による、賞賛に満ちた人物評的エッセイが収録され、そちらも読み応えがある。題字と装画は、佐野繁次郎のもの。新潮社より1995年発行の初版。函、表紙に経年の傷みや日焼けが見られるが、本体は美品。帯無し。 Title/ 辻静雄著作集 Author/ 辻静雄　 Published/ 新潮社 1995 Notes/ Hardcover 215×155mm 987p